職業実践専門課程とはなんなのか?
専門学校で職業実践専門課程がある学科とそうでない学科は何が違うのか?
専門学校を調べていると職業実践専門課程という文字が至るところ見かけられ、特徴などが書かれているものの、いまいちなんなのか結局分からずじまい。
そういった方は少なくないでしょう。
そこで、今回は職業実践専門課程が結局なんなのかといったことを分かりやすく、詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、結局のところ職業実践専門課程がなんなのかが分かりますので、最後までご覧ください。
職業実践専門課程とはつまり、専門学校の中でもハイレベルな人材育成を行うということ
専修学校の専門課程であって、職業に必要な実践的かつ専門的な能力を育成することを目的として専攻分野における実務に関する知識、技術及び技能について組織的な教育を行うものを、「職業実践専門課程」として文部科学大臣が認定して奨励することにより、専修学校の専門課程における職業教育の水準の維持向上を図ることを目的とするものです。
職業実践専門課程とは「専門学校の中でもよりレベルの高い人材の育成をしているカリキュラム」といえるでしょう。
なぜなら、国(文部科学省)の説明文に「専修学校の専門課程における職業教育の水準の維持向上を図る」とありますので、専門学校の中でもより高い水準を目指していることが分かるからです。
職業実践専門課程は平成26年の4月から始まり、最新の実務の知識等を身につけられるようカリキュラムを編成。
その職業において実践的で専門的な能力を育成することを目的とし、技術や技能について学校と企業が連携するなど、組織的な教育を行います。
このような取組みで、専門学校の中でもよりレベルの高い人材を育成することを国は現在推奨しています。
職業実践専門課程がハイレベルな理由
職業実践専門課程が専門学校の中でもハイレベルな理由は4つあります。
1.修業年限が2年以上で総授業時間が1700時間(62単位)以上
2.企業等と共同でカリキュラムを編成と連携した実習・演習の授業の実施
3.企業等と連携した教員の研修
4.学校を外部の機関が評価
それぞれどういうことなのか詳しく見ていきましょう。
1.修業年限が2年以上で総授業時間が1700時間(62単位)以上
職業実践専門課程では、修業年限が2年以上で総授業時間が1700時間(62単位)以上と、定められており、かなりのボリュームの授業時間となっています。
同じ専門学校でも、この基準を満たしていなければ職業実践専門課程とはなりません。
専門学校とは「専修学校の専門課程」のことで、1年以上800時間以上の学科のある学校です。
このことから、職業実践専門課程の学科がどれほど力を入れて、その職業に就くために勉学に励んでいるのかが分かります。
2.企業等と共同でカリキュラムを編成と連携した実習・演習の授業の実施
職業実践専門課程がハイレベルである大きな理由として、膨大な授業時間数のほかに「企業との連携」があります。
具体的には、以下の3つ。
1.カリキュラムの編成に業界の企業が参加し、業界の最新の意見を授業に反映している
2.連携企業から講師を派遣し、研修や講義・実習が行われる
3.学生の評価を教員だけでなく、実習先企業からも受けられる
職業実践専門課程ではカリキュラムの編成から、実際に働く業界の現場での実習が連携企業と共同で行われます。
そのため、学ぶ学生としては卒業後に業界の最新の情報についていくことができるだけでなく、実習を通して働くこと自体にも心構えを前もってすることができるでしょう。
そして、学生の評価は教員だけでなく企業側も行うことから、実際に働くにあたって、伸ばせる点や改善すべき点をより具体的に知ることができます。
このようなことからも、職業実践専門課程では専門分野でハイレベルな人材が育成できることが分かります。
3.企業等と連携した教員の研修で学びの内容が常にアップデート
職業実践専門課程では学んでいる人材のレベルアップだけではありません。
人材を教える教員にも企業と連携して、その分野で即戦力として活躍できる人材を育成するための知識を養うための研修を必須としています。
教員の場合、業界の最前線に常にいるわけではありませんので、どうしても業界の最新情報や技術について遅れを取ることも。
そこで、職業実践専門課程では連携企業と業界の最新の情報や技術を共有し、教員に必要な研修を受講させます。
また、教育の専門家を招いて教育自体の研修を実施して質の向上も図ります。
専門学校は教育としては・・・といったイメージを持つ方は少なくはないと思われますが、職業実践専門課程のある学校では人材育成にかなり力が入っていることが分かるのではないでしょうか。
4.学校を外部の機関が評価するから学校側はサボれない
職業実践専門課程を置く専門学校では連携企業等が学校の評価を行い、公表する決まりです。
そのため、学校側は自己評価だけなく外部から見た専門分野の人材育成のために必要な意見を取り入れることができます。
また、どのようなことをしているのかがイメージし辛い専門学校ですが、職業実践専門課程のある学校では情報が公表されているため、外部の人がより詳しい情報を得ることも可能です。
このことから、職業実践専門課程のある学校は情報がクリアなため、常に即戦力となる人材が育成できる環境を整えなければなりません。
つまり、卒業していく人材は常にレベルが高くなるということにつながります。
職業実践専門課程は膨大な授業時間と企業との連携があるからハイレベル(まとめ)
職業実践専門課程は「質の高い授業がとても長く受けられるため、ハイレベルな職業人材になれる」といったものです。
職業実践専門課程のある学校では、かなり多くの授業時間があるだけでなく、その業界の企業と連携することで卒業後すぐに活躍できる人材の育成をしています。
また、国が推奨している課程でもありますので、専門学校卒業という経歴のある人物が2人いた場合に、職業実践専門課程で卒業をしているのかそうでないのかで採用の基準がなされる可能性も。
将来、やりたい業種が決まっているのであれば、最新の知識と技術を学ぶことができ、運営が透明性の高い職業実践専門課程のある専門学校で学ぶと、就職で有利となりやすいでしょう。